あらいぐまラスカル 旅行記

 

                                   〜ラスカルとスターリングゆかりの地を訪ねて 2008〜

 

 

 

 

 

                              は  じ  め  に

 

とある日、本屋さんでふとこんな本が目に留まりました。

「ラスカルにあいたい」(求龍堂) ちば かおり著

ラスカル?あの子供時代にアニメで見た?

一度しか見ていなかったので、話はうろ覚えだったのですが、なぜか懐かしくなり夢中で読んでいるうちに、懐かしい思い出が甦ってきました。

原作を初めて読み、アニメも全巻レンタルショップで借りてきて見尽くしました。

面白い!なんて傑作なんだろう。こんな名作だったのか〜ああラストの別れのシーンはもう涙なくして見ることはできないっ。

ラスカル〜スターリング〜

気分はまさにこの本のタイトル通り、”ラスカルにあいたい!”

折りしも今年はアメリカ旅行が決まってたので、これはラスカルのふるさとに行くしかない!

ということで、ゆかりの地、ウィスコンシン州エデュトンを旅してきました。

このラスカル本を片手にして。

これはガイドブックとして大変重宝させてもらいました。この本のお陰で、ラスカルゆかりの地をたくさん見てくることが出来ました。感謝!

※行く前にしたこと

エデュトンの町には、スターリングノースが住んでいた家が現存されています。

こちら→ STERLING NORTH SOCIETTY http://www.sterlingnorth.com/

# 開館日は限られているのですが、それ以外の日でも予め連絡をって相手方がOKなら大丈夫との情報を得て、→http://www1.harenet.ne.jp/~sato2000/rascal/sterlingnorthboyhoodhome.html

メールで連絡をさせていただきました。 ディドリックさんという方が、当日スターリングハウスで待っていて案内してくださることになりました。

 

エデュトン

ついにラスカルの町、エデュトンが見えてきました。

左右に線路があり、左手に”TABACO”と描かれた建物があります。

かつてタバコ産業で栄えていた時代が偲ばれます。

ここがエデュトンの町の入り口、といった趣きが漂っており、気分も高まってきました。

左手奥に駅舎があり、そのずっと後方にスターリングハウスを始め、ゆかりのある場所があります。

 

 

左手にスターリングノース・ハウスが見えてきました。

道路と歩道が分かれているなんて、かつ街路樹がこんもりと茂っているなんて、なんとも羨ましい限りです。

アメリカ人からすればごく普通なんでしょうけれど、日本から見ると夢のような住宅街ですね。

 

 

建物の前には  が建っていました。

周囲は静かな住宅街で、人もまばらでした。

スターリングの家を始め、ここら辺の家はスターリングの住んでいた時代から区画や建物自体ほとんど変わっていないようでした。

 

 

 

 

表通りから見たスターリング・ノースハウス。

こうして現存されていることがとても嬉しかったです。

ラスカル本によると、取材当時は住人がいたそうです。

 

表通り向かって左側から見たハウスです。

アメリカの家は奥行きがあり、さらに奥庭があるものが多いですね。

一般の見学者は、この左側の部分のドアから家に入ります。

アを開けると、ディドリックさんが、にこやかな笑みで出迎えてくれました。

こうやって、開館日以外の日でも、希望者あると、わざわざ車で駆けつけて、案内をしてくださってるとのことです。

その心遣いに感謝です!

まず、一旦外を出て庭の案内から始まりました。

さらに奥に向かって真っ直ぐ進むと納屋があります。

右手に見えるのが、あのラスカルの木です。

これが納屋の中です。

ここでラスカルを飼っていたんですね。

正面左側にスターリングが彫った頭文字が保存されています。

 

拡大した図です。
さて納屋を出て右手に見えるのが・・・

これがあのラスカルの木!

高々と、かつどっしりとした立派な木でした。

 

アップで見てみました。

やはりラスカル本に書いてあったように、木の穴はありませんでした。

見てみたかった・・・残念。

ディドリックさんによると、ラスカルはこの木の穴に住んではいなかった、とのことでした。

先ほどの納屋で飼っていたそうです。

ちなみに原作では、やはり木に住んでいたという設定になっています。

やはりその方が絵になるし、読者としても断然夢がありますよね。

木の穴で生き物を飼う。しかも自分の家の庭で。

いいですね〜 子供の頃誰しも憧れたシチュエーションではないでしょうか。

 

 

 

 

角度を変えて見た図。手前が裏庭。

ちょうど正面がスターリングハウスです。

本当に、アニメ通りの構図だったのには感動しました。

ここから右手に教会の塔が見えます。

教会の塔が見えます。アニメでよく出てきた構図ですね。

ここからボーが飛んできて、よくラスカルと争っていたことが思い出されます。

ちなみに、ここら辺は蚊が凄まじかったです。

ディドリックさんの説明を聞いている時でも、蚊が容赦なくブンブン襲ってきました。

当時も凄かったんでしょうかね?

皆、どんな対策をしていたんでしょう?

ディドリックさんは、気にしていなかったようですが、虫除けスプレーでもしてたのかな

さて、いよいよ家に入ります。
スターリングハウスの中です。

入ってすぐ受付と小さなショップがあります。

奥に見えるのがリビングです。

リビング

入ってすぐ目に飛び込んできたのは、網付きのクリスマスツリー。

 

ディドリックさんが、わざわざツリーの明かりを灯してくれました。

網を付け予防したのも頷けます。

ラスカルも大事に思っていたからこその行動ですね。

電話がありました。

アニメでは家で電話を使っているようなシーンは見なかった気がしま すが

足踏みオルガン。
ラスカルをかごに乗せてよく駆けっていましたね。

 

右がスターリングと夫人です。

高校時代に知り合ったのだとか。

スターリングは高校までこのエデュトンに住んでいたらしいです。

このカヌーは自分で製作したものでしょうか。

スターリングのお兄さんが写っている写真です。

アニメでは全く出ていませんでしたが、原作では結構スターリングにとって重要な存在でした。

食堂

左手の窓から、ラスカルの木が見えます。

窓からのぞいて見ました。
ラスカル専用の椅子と角砂糖。

二階です。

左手にスターリングの部屋があります。

ここがスターリングの部屋。

右にもう一間部屋が続いてあります。

その奥の部屋。

奥庭に面している部屋です。

この窓から、ラスカルの木が見えます。

うっそうと茂ったラスカルの木。
釣具

スターリングの釣り

この部屋には、ラスカル関係のグッズや資料がありました。

う〜ん、日本のグッズばかりですね。そりゃそうですか。

 

日本から訪れたラスカルツアーのことを伝えた新聞記事。

ラスカル放映30周年記念のイベントの一環として、今年の6月に、”「あらいぐまラスカル」のふるさとを訪ねるアメリカ・ウィスコンシン州ツアー”があったそうです。↓

http://sekai.tv/rascal30/campaign/index01.html

バス数台で来る相当大規模なツアーだったそうです。

記念館には、結構日本人が訪れるとのこと、やはりラスカル人気は根強いですね〜

 

 

これは、当時の映画かドラマの写真です。 今でも見れるんでしょうか?見てみたいですねぇ。
ディドリックさんがサービスで、このように日米ラスカルを置いてくれまし た。

うーん、やはりひいき目抜きにして?日本アニメのラスカルの方が可愛い!

ただし本物のアライグマは、左の方がより忠実みたいですが、、、

日本アニメのラスカルは、レッサーパンダに近いとのことですが、アニメにするなら、やはり目の周りを白にして正解だったかと思います。

愛くるしさがダントツ!

 

お隣の部屋。

スターリング関係の著書、資料が展示してありました。

いろいろな本を出版されていたんですね。
スターリング・ノースの使用していたタイプライター
さて、一階に戻ってきて、先ほどのグッズショップです。

ちなみにディドリックさんはこのグレー地のラスカルTシャツを着ていました。

スターリングハウス訪問者のために、いつもこうやって着て下さるんですね!

ありがとうございます。

 

表紙は、やはりラスカルをカゴに乗せて走るスターリングですね。

壁には、子供達の描いたラスカルの絵やメッセージが。

課外授業の一環として、または、地域の催しなどで子供達が見学に訪れているみたいですね。

そういえば、近くの町で道に迷い、付近の女性に道をたずねた際のことです。

何をしに、こんなとこまで来たの?と聞かれたので、実は、と例のラスカル本を見せた途端、すぐに「あらいぐまラスカル」だとわかってくれました。

こちらのスターリングハウスに、日本のラスカルグッズが展示されているので知名度がそこそこあったのかなと、思いました。

その女性も、子供の頃、学校でスターリング・ノースのことを学んだそうです。

きっと今でも、ここの地域の子供達は、スターリング・ノース、ラスカルの本を読んでいるんでしょうね。

なんだかいいですね〜。

ラスカルも、いろいろな国で出版されたようですね。

ところで、日本のアニメ「あらいぐまラスカル」が、ご当地アメリカで放映されなかったことを知り、ちょっぴり残念に思いました。

ちなみに、ディドリックさんは、日本語版のアニメを見たそうです。

もちろん、日本語はわかりませんので、近くに住む日本人の女性に通訳をしてもらいながら!見たとか。

スゴイ!全話通訳を介して見たのでしょうか?

その女性は、教師をしておられたとか、とても素敵な女性だとか、伺いました。

アニメの感想は、聞きそびれてしまいました。

ディドリックさんはどう感じながら見たんでしょうね。

「ありがとうラスカル」???

「世界名作劇場文庫」という文字が見えます。

アニメが放送されていた当時発行されたもののような気がします。

これは、ぜひ探さねば!

ディドリックさんが教会を案内してくださいました。

スターリングハウスを出て右方面に歩いていくと、十字路があり右手には「LIBRARY」の看板が。

ここを右に曲がるとすぐに教会があり、その向かい辺りには図書館があります。

ちなみに学校は、ここの通りをもう少し真っ直ぐ行きます。

教会。本当に緻密に再現してくれていますね。

この写真には写ってはいませんが、教会のずっと奥の方に スターリングハウスがあります。
教会の内部。

2階にあります。

ディドリックさんによると、スターリングの両親がここで多分結婚式を挙げたのではないかとのことでした。

一階のドアを開けて左手に、ドアがありました。

ディドリックさんさんに開けてごらん、と言われ、ドアを引いて見ると、中は・・・・

ボーとラスカル絵が!

半畳くらいの広さの小部屋。

鐘を引っ張るヒモが。

鐘楼でした。

そして上を見上げると、梯子があり天辺まで続いています。

ボーが住んでいた、そしてスターリングはこの梯子を上って、指輪を取り返しに行った、あの場所ですね。

右上の絵は、おなじみ日本のラスカルとスターリングですね。

ちなみにアメリカでは、日本のアニメ「あらいぐまラスカル」は

放映されていないとのこと。残念〜

ディドリックさんは、付近に在住している日本人に通訳してもら

いながら、観てくださったみたいです。

さて、どんな感想を持たれたでしょうか。

 

街中を走る現代のスターリング その1
街の図書館。

1階が子供用、2階が大人用と地域資料コーナー。

天井が高く、広々とした立派な図書館でした。

人も少なくのんびりしている雰囲気がいいですね〜

ちなみに、風の谷のナウシカやヒカルの碁などの日本語版が置いてありました。

図書館のカウンター奥にある棚の上には、日本のラスカルグッ ズが!

地元の子供達も親しんでくれていると嬉しいですね。

そして壁にはラスカルのミニコーナーが。

右上の絵は、おなじみ日本のラスカルとスターリングですね。

ちなみにアメリカでは、日本のアニメ「あらいぐまラスカル」は

放映されていないとのこと。残念〜

ディドリックさんは、付近に在住している日本人に通訳してもら

いながら、観てくださったみたいです。

さて、どんな感想を持たれたでしょうか。

スターリングの家から学校へ向かう道です。

ニレの木々の緑が深々としていて美しい通学路でした。

教会も学校も徒歩でこんな近いとは思いませんでした。

かつての学校。今は共同住宅となっています。

この真向かいに、現在の学校がありました。

公園にあるサンダース川。

パッと見、まるで公園のために造られた小川のようでした。

でもこの川の先にはロックリバー、果てはコシュコノング湖があるなんて嘘みたいですね。

でも本当に続いていました。またそれは後ほどに。

公園の広場

スターリング・オスカー・アリス達が遊んでいた公園ですね。

直後、スラミー一味に絡まれてエライ目に遭いますが。

口笛と共に、スターリングの元に戻ってくるラスカル。

大杉久美子さんの優しい声の挿入歌が場を盛り上げている、とても印象的で好きなシーンです。

あたり一面に敷きし詰められた、シロツメクサの花。

♪シロツメクサの花が咲いたら さあ行こうラスカル〜♪

オープニングの歌、そのものの世界ですね。

現代のスターリング その2

公園では、現代のスターリング達が自転車に乗って遊んでいました。

時代は違っても子供達の遊ぶ姿は変わりませんね。

それにしてもこの子供達も、スターリングがよくやっていたように、自転車を地面に倒して置くのには、思わずクスリとしました。

スタンドがなかったような気がするのですが、こちらのお国柄?

駅。

今でも貨物列車が通っています。

 

駅前の通り。

サーマンさんがスターリング一家を車に乗せて出発するシーンは、多分ここの通りですね。

今は店もまばらで閑散としていました。

オールドレーストラック。

サーマン氏(自動車)とコンウェイ氏(馬・ドニイブルック)の競争が繰り広げられた場所。 真夏の昼下がりのせいか、誰もいませんでした。

とうもろこし畑
ウエントワースの森をあちこち探してみました。

昔に比べ、森は相当切り開かれ、住宅地などになっていました。

細切れになってはいるものの、まだまだ当時の森の面影は十分残っていました。

少し歩いてみたかったのですが、あまりの暑さに断念。

今思えば、頑張って森の入り口辺り、少しでも入ってみればよかったかなと、少々心残りです。

ウエントワースの森の近くにあったサンダース川。

先ほどの公園で見たよりも、だいぶ水かさが増していました。

これをずっと進むと、ロックリバーへ続いていきます。

インディアンフォードパーク。

スターリングの秘密の釣り場周辺は、このような公園になっていました。

キャンプや釣りに格好の場所のようです。

ロックリバーに架かる橋。

この橋の下に、あの秘密の釣り場があります。

 

ロックリバーに到着。

ここがスターリングのお気に入りの釣り場。

今日でも釣り人にとっては格好の場所みたいです。

上の図から見て右の対岸です。

アニメのオープニングで出てきた、釣りの場面を思い起こさせる雰囲気でした。

船着場。

スターリングもこんな感じの場所で、カヌーの進水式をしたんでしょうね。

ロックリバー

これをどんどん上流に向かっていくといよいよ・・・

コシュコノング湖です。

対岸が見えない程の広大な湖でびっくりしました。

後にスターリングはスペリオル湖を見た時、その広大さと素晴らしさを讃え、コシュコノング湖はとてもかなわないと思ったらしいですが、

いやどうして、十分立派な湖です。

五大湖と比べなくても・・・・。ここは特別な湖ですよ。

なんたってこの湖、奥の森にはラスカルが放たれた場所なんですから。

しかし、サンダース川から始まってロックリバーを経て、ここまで十数キロ。よくカヌーでいけたなあ。当時の子供達はみんなたくましかったんだなあ。

 

 

エデュトン近郊の風景 その1

 

   
エデュトン近郊の風景 その2

 

最後に

こうして、ラスカル本を頼りに行ったエデュトンへの道、ラスカルに会いに行く旅は終わりました。

期待をはるかに上回る満足度の高い内容の旅となりました。

エデュトンは、原作当時の雰囲気を色濃く残した町でした。

いまだ、ラスカルがいつでもひょいと現れそうなエデュトン。

原作とアニメの舞台を味わうことが出来た幸せなひと時でした。

さよなら、ラスカル。また会う日まで!

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